国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学応用生物科学部附属動物病院

犬の献血制度とドナー登録のお願い

治療・手術と輸血

本院では、貧血や血友病などの止血異常の治療ならびに肝臓や脾臓あるいは脳神経系の腫瘍や血流障害などの疾患に苦しむ犬の手術をおこなっております。 これらの疾患の治療や手術には、多くの場合、輸血を必要としますが、動物医療では人医療のような献血制度がありません。そのため、輸血によって尊い命を救うためには皆さまのご協力が必要です。

ドナー登録の条件

  1. 1
    年齢 1~7歳
  2. 2
    体重 20 kg以上
  3. 3
    性別 交配予定のないオスまたは妊娠・出産経験のない避妊メス
  4. 4
    予防・健康状態
    • 健康である。
    • フィラリア予防、ワクチン接種、ノミやダニの感染予防を受けている。
    • これまでに輸血を受けたことがない。
  5. 5
    麻酔・鎮静処置をせずに献血採血が可能な性格である。
  6. 6
    生活環境:屋内飼育でも屋外飼育でもどちらでも可能です。

以上の条件に当てはまり、献血プロジェクトにご協力いただける方は、ドナー登録同意書を提出後、初回検査と献血日のご相談をさせていただきます。

献血の流れ

お申込み

登録の条件や検査、献血についてご説明いたしますので、まずはお気軽にご連絡ください。

受付

登録時の検査のため来院していただきます。当日はご飯を抜いて(来院8時間前から)、来院3時間前からは飲水も控えてください。問診票に事項の記載をお願いします。個人情報の保護は厳守いたします。

健康診断

登録時には献血ドナーの条件を満たしていることを確認するために検査をおこないます。検査の内容は問診、身体検査、血液検査(血液検査、血液型、肝機能・腎機能などの生化学検査、止血機能検査、フィラリア、バベシアなど感染症の検査)、尿検査、便検査、超音波検査です。

検査結果は飼い主さまにお伝えします。ドナー登録の条件を満たしている場合は、ドナーとして本登録し、1回目の献血採血の予定をご相談いたします。

献血採血

採血時に健康状態が良いことを確認します。

採血は毛刈りと消毒をおこなった後、頸静脈からおこないます。採血量は200mLから400mLです。

採血後に十分に止血したのち、採血量と同量以上の静脈点滴または皮下点滴をおこないます。また、鉄剤とビタミン剤を処方いたします。

当日はご自宅にて安静にしてお過ごしください。翌日からは通常通りの生活が可能です。

再度、献血をお願いする時は、事前にこちらからご連絡し、日程を調整いたします。採血は、原則として1年に3回(4か月に1回程度)の予定です。なお、2回目、3回目の献血採血の前にも健康診断(身体検査と血液検査)を実施いたします。また、あらかじめ緊急献血にご同意いただける場合には、緊急的に新鮮な血液が必要になった時に、こちらから献血のご依頼をさせていただく場合もあります。

年1回の健康診断(ドナー登録更新の場合)

1年ごとの登録更新をおこないます。更新時には初回登録時と同様の検査(健康診断)を実施いたします。
ドナー登録は飼い主さまの自由意思によるものです。献血ドナーに参加することに同意された後であっても、飼い主さまの申し出により、いつでも登録を取り止めることができます。

献血をしてくださる皆さまへ

感謝の気持ちといたしまして、感謝状を贈呈し、献血時にフードを差し上げます。また、飼い主さまのご了解をいただけた場合には、ホームページ上ならびに院内に、愛犬のお写真とお名前を掲載させていただきます。

Q&A

Q1検査や採血の時間はどのくらいかかりますか?

A

通常、約1時間~2時間ほどです。

Q2献血採血した後(当日)は入院しますか?

A

献血採血後に、採血量(200mLから400mL)と同量以上の静脈点滴または皮下点滴をおこない、様子を見ます。
問題がなければ、その後、ご帰宅いただけます。

Q3献血採血後に気をつけることは?

A

当日はご自宅にて安静にしてお過ごしください。
翌日から通常通りの生活が可能です。

Q4献血採血により健康を害すること=副作用はありますか?

A

通常はありません。
事前に健康診断をおこない、また動物の状態に注意しながら鎮静等の処置をせずに自然な形で、安全性に最大の配慮をして、獣医師が採血いたします。
しかし、獣医療行為には予想外の事象が発生する可能性を消滅させることはできないため、同意書にはその旨、記載しております。

なお、人の献血後に最も多く生じる副作用として、血管迷走神経反応(Vaso Vagal Reaction)があります(約1%の発生率)。採血行為(針を刺す行為あるいは針を見ることでも)によって迷走神経が刺激され、脈が遅くなり末梢血管の緊張が緩んで血圧が低下する副作用で、気分不良・吐き気・失神といった症状を生じます。
しかし、動物ではこのような副作用の発生は明らかではありません。

献血採血は獣医師が十分に注意しながらおこない、万が一、異常が発生した場合には直ちに採血を中止し、適切な処置を施します。
また、採血後には安静な状態で、採血量(200mLから400mL)と同量以上の静脈点滴または皮下点滴をおこない、全身状態に問題がないことを確認してからご帰宅いただきます。

Q5検査結果の詳細はお知らせしてもらえますか?

A

はい、お知らせします。
また、必要であれば詳しくご説明いたします。

Q6検査により異常がみつかり登録できなかった場合に検査費用はかかりますか?

A

いいえ、かかりません。

Q7検査によって異常が出た場合に治療をしてもらえますか?

A

まずはかかりつけ医にご連絡し、相談の上、当院での治療が必要な場合には有料でおこないます。

Q8緊急に献血することはありますか?

A

あらかじめご同意いただける場合には、緊急での献血をお願いすることもあります。
(献血採血に適する状態であることが前提になります)

Q9献血は、年3回だけですか?

A

はい、年3回を原則としております。
もし、緊急献血にご同意いただける場合には、この限りではありません。
(献血採血に適する状態であることが前提になります)

Q10謝礼や交通費の支給はありますか?

A

申し訳ありませんが、支給できません。
ボランティアとしてご協力いただくことになります。
献血にご協力いただいた方には、当院よりフードと感謝状を贈呈いたします。
また、ご希望の方には、当院ホームページにワンちゃんのお写真を掲載させていただきます。

お申込み およびこのページの内容に関するお問い合わせ

岐阜大学応用生物科学部附属動物病院

電話番号058-293-2962または 058-293-2963

月曜日~金曜日 9時~17時

メールアドレスvethsptl★t.gifu-u.ac.jp メール送信時は“★”を@に変更してください