業績 2026年度

岐阜大学動物病院腫瘍科では、日々、がんの動物に対するよりよい診断や治療方法を求めて、様々な臨床研究や症例報告、また医学部等との共同研究も積極的に行っています。下記にその一例をご紹介します。

論文

  1. Uno A, Nozue Y, Iwasaki R, Mori T.
    Surgical Outcomes of Canine Intracranial Meningioma With or Without Radiation.
    J Am Anim Hosp Assoc. 2026;62(4):176-182. Published 2026 Jul 1. doi:10.5326/JAAHA-MS-7536
    犬の頭蓋内髄膜腫21例を対象に、外科切除単独と術後放射線治療併用の治療成績を比較した後ろ向き研究である。全体の中央値生存期間は845日、無増悪生存期間は771日であった。術後放射線治療併用群と手術単独群の間で、生存期間および無増悪生存期間に有意差は認められなかった。一方、Grade 1髄膜腫では再発は認められず、再発はGrade 2またはグレード不明例でのみ認められた。以上より、腫瘍グレードは重要な予後因子である一方、術後放射線治療の有効性については選択バイアスの影響があるため、さらなる検討が必要である。
  2. Uno A, Iwasaki R, Mori T.
    Treatment Outcomes and Tolerability of Postoperative Radiotherapy in 10 Dogs with Spinal Meningiomas.
    J Am Anim Hosp Assoc. 2026;62(3):108-114. doi:10.5326/JAAHA-MS-7498
    犬の脊髄髄膜腫10例を対象に、外科切除後の放射線治療の治療成績および安全性を評価した症例集積研究である。10例中9例で術後補助放射線治療が実施され、中央値生存期間は568日であった。局所再発は6例で認められ、術後95~1086日にMRIで確認された。放射線治療に関連すると考えられる有害事象は1例で晩発性の四肢麻痺悪化が疑われたのみであり、その他に臨床的に問題となる急性・晩発性有害事象は認められなかった。以上より、術後放射線治療は良好な忍容性を示した一方、局所再発は依然として多く、長期的な局所制御にはさらなる検討が必要であると結論づけられた。

学会発表・講演

  1. 下里 徳宏,吉川 竜太郎,長谷川 知美,梁瀬 将豪,柴田 早苗,森 崇
    術中心停止に対して約30分間の開胸下心肺蘇生を行い生存退院した副腎腫瘍の犬の1例
    第112回 日本獣医麻酔外科学会,2026年6月
  2. 松多 璃子,森 崇,賀川 由美子
    穿刺吸引細胞診で犬胸腺腫に対する放射線治療の予後予測は可能か
    第112回 日本獣医麻酔外科学会,2026年6月
  3. 岡 佑樹,吉川 竜太郎,梁瀬 将豪,下里 徳宏,古田 ひかる,森 崇
    積極的治療により長期生存した扁桃扁平上皮癌の犬の4例
    第34回日本獣医がん学会, 2026年7月