岐阜大学動物病院

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岐阜大学動物病院 獣医臨床セミナーのご案内

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第33回 獣医臨床セミナー (名古屋市獣医師会と共催)

日時 2014年11月9日(日) 14時~17時
会場 名古屋市獣医師会館
申し込み方法 当日受付のみ(参加費無料)
講演内容 教育講演

小動物臨床における腹腔鏡手術の有用性

症例検討【1】 岐阜大学腫瘍科におけるパラディアの使用経験
症例検討【2】 全身性エリテマトーデスを疑う免疫介在性疾患の犬の1例
協賛企業 株式会社ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン、株式会社インターズー

教育講演

小動物臨床における腹腔鏡手術の有用性

岐阜大学動物病院客員教授、りんごの樹動物病院長 近藤元紀

資料の一部をPDFでご覧いただけます。
株式会社インターズー様の協賛企業からのメッセージをご覧ください。

腹腔鏡手術は痛みが少なく傷が目立たない手術として人医学領域では年々盛んになっている。その勢いはまさに爆発的であり、近年の器械と技術の進歩により手術可能な疾患も大幅に増加している。一方、獣医学領域でも腹腔鏡を導入する施設が次第に増えてはいるが、人医療に比べればその差は歴然としている。動物の麻酔科領域においては疼痛管理が当たり前のように実施されるようになってきているが、いかに疼痛を少なくして手術を行うか、すなわち腹腔鏡手術のような低侵襲手術に関する関心がまだまだ少ないように思う。腹腔鏡手術と言うと一見難しく、取っ付きにくい感じがするが、実は肝生検や卵巣摘出術、膀胱結石摘出術など、大学病院や二次診療施設よりもむしろ一次診療施設でこそ役立つ方法である。今回はその概要を紹介し、いかに小動物臨床において有用性が高いかを述べたいと思う。

症例検討【1】

岐阜大学腫瘍科におけるパラディアの使用経験

岐阜大学動物病院 腫瘍科 松井直子

先日、国内初の動物用分子標的薬であるトセラニブ (パラディア®) が発売となり、犬猫における腫瘍治療は、新たな進展をみせようとしている。トセラニブは、受容体型チロシンキナーゼを選択的に阻害するキナーゼ阻害薬である。同じキナーゼ阻害薬としては、イマチニブが犬の肥満細胞腫に使用されてきたが、トセラニブは肥満細胞腫のみならず、他の腫瘍に対しても、その効果を認める報告がいくつか出ており、注目を集めている。そこで、現在までの腫瘍科におけるトセラニブの使用経験をもとに、その効果と副作用についてご紹介したい。

症例検討【2】

全身性エリテマトーデスを疑う免疫介在性疾患の犬の1例

岐阜大学 獣医臨床放射線学研究室 内藤 瑛治

全身性エリテマトーデス(SLE)は、多臓器において自己免疫介在性に炎症が生じる疾患である。症例においては、多発性関節炎、発熱、腎疾患、皮膚症状、リンパ節腫大、脾腫、白血球減少症、溶血性貧血、血小板減少症および中枢神経疾患など、複数の臨床症状が認められる。SLEの診断には病理組織学的検査および抗核抗体(ANA)検査が有用であるが、上記の検査において陽性所見は得られなかったものの、SLEを強く疑う症例に遭遇したので、その概要を報告する。

症例はミニチュア・ピンシャー、1歳1ヶ月齢、未去勢雄。3ヶ月前から認められている爪の破折、食欲減退、口腔内および口唇部のびらん、鼻鏡部の色素脱失および両眼瞼の腫脹を主訴に来院した。蛋白尿およびCRP値の上昇も認めたため、SLEを疑ったが、口唇部および鼻鏡部の病理組織学的検査およびANA検査の結果はSLEの診断を支持するものではなかった。試験的にプレドニゾロンの内服を開始したところ、症状は改善傾向を示した。講演では本症例の詳細な臨床経過を示しつつ、予想される病態について考察したいと考えている。

協賛企業からのメッセージ

14時より、本セミナーにご協賛いただく(株)ベーリンガーインゲルハイムベトメディカジャパン様から 「ベトメディン®の新たな可能性」のご講演があります。株式会社インターズー様のご協力により、教育講演の内容をJ-VET誌 に掲載します。 本教育講演の要旨はJ-VET誌2014年10月号に掲載予定です。

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