岐阜大学動物病院

診療

よくあるご質問と回答

ペットのお世話など

薬を嫌がって吐き出すのですが、どうしたらうまく飲ませられますか?

まずはいつもの食餌や好物に混ぜてあげてみてください。粉薬であればふりかけてあげたり、錠剤やカプセルは埋め込んだりお団子にしてあげてみます。どうしても飲んでくれない場合は、薬によっては形状を変えたり、シロップを混ぜて甘くできる場合がありますし、動物の性格によっては無理に飲ませると怒ったり咬みついたりして飼い主さまが怪我をしてしまったり動物にとっても大きなストレスとなってしまいますので無理はせず、一度病院に相談してみてください。

薬はいつ飲ませたらいいですか?

薬によって違いますので、その都度説明いたします。一日一回なら朝と晩どちらでもいいのか、食餌と一緒に混ぜてあげてもいいのかなどわからないことがあれば気軽に聞いてください。大切なのは飼い主さまの判断で飲ませない事です。必ず病院の指示通りの量と回数と期間で飲ませてください。少しでも迷ったら飲ませる前に病院に相談しましょう。

食餌:食べてはいけないものは?

  1. ネギ類(ネギ・玉ねぎ・ニラ・ニンニクなど)
    ネギ類に含まれる成分が赤血球を破壊してしまうので、貧血を起こしてしまいます。加熱しても毒性は消えませんのでハンバーグなど、ネギ類と一緒に調理された他の食材も与えてはいけません。
  2. カカオ類(チョコレート・ココアなど)
    カカオに含まれるテオブロミンは中枢神経を刺激するので、中毒を起こす原因となりますので危険です。
  3. カフェイン(お茶・コーヒーなど)
    カフェインの成分のテオグロシンは中枢神経興奮作用があるので危険です。痙攣やてんかん発作の原因にもなります。
  4. 鳥の骨
    縦に鋭く裂けるため、喉や食道、胃などを傷つけてしまう恐れがあります。鳥のほかにも硬くて太い骨は危険ですので与えないようにしましょう。
  5. タコ・イカ・エビ・貝類
    消化が悪いので下痢や嘔吐を起こす危険があります。また、生の貝類や甲殻類(特に内臓)に含まれる酵素(チアミナーゼ)がビタミンB1を分解するため、ビタミンB1欠乏症になる恐れがあります。
  6. 生魚
    サンマやアジなどの青魚は不飽和脂肪酸を含んでいるためそれが体内の脂肪を酸化して皮膚の下にしこりができたりします【黄色脂肪症(イエローファット)】。
    魚によってはビタミンB1分解酵素を含んだものもあります。魚を与える際には必ず加熱しましょう。
  7. ブドウ・レーズン
    個体差はありますが中毒を起こす危険があります。腎不全などの腎臓障害がみられ、重度の場合は死にいたることもあります。特にブドウの皮は危険です。
  8. アボカド
    アボカドに含まれるペルジンという成分に毒性があり、嘔吐や下痢などの症状が見られます。多量に摂取すると死にいたることもあります。ドッグフードの中には原材料にアボカドを含むものもありますが、加工がされているため食べても問題ありません。
  9. ナッツ類
    ナッツ類にはリンが多く含まれています。個体差はありますが、尿石の原因にもなりますので与えないようにしましょう。
  10. 牛乳(乳製品)
    牛乳には乳糖(ラクトース)が含まれており、ラクターゼという乳糖分解酵素によって消化されます。しかし、犬や猫はこの酵素を十分に持っていない子が多いため消化しにくく、下痢を起こしてしまいます。危険な食品というわけではありませんが、与えた時に下痢をするようであれば体質に合わないという事ですので与えない方がいいでしょう。

代表的なものをいくつかあげましたが、他にもビタミンAやビタミンDを多く含む食材やマグネシウムを多く含む食材、生肉や生卵などの生ものなどがあげられます。また、犬や猫にとって害のない食材でも与えすぎると肥満の原因になったり、必要のない塩分を与えてしまう事になるので人間の食べ物はあまり与えないようにしましょう。

避妊・去勢は必要なのですか?

避妊・去勢手術を行うことによって、メスでは子宮や卵巣の腫瘍、乳腺の腫瘍、子宮蓄膿症などの病気を予防することが出来、オスでは前立腺や精巣の腫瘍、前立腺肥大などの病気を予防することが出来ます。また、発情期にみられる鳴き声が軽減されたり、メスの出血(生理)がなくなるなど発情に伴うストレスからも解消されます。手術時の麻酔に伴うリスクや、術後ホルモンバランスの変化により太りやすくなったりするデメリットはありますが、飼い主さまが繁殖を希望されなければ避妊・去勢手術をお勧めいたします。なお、岐阜大学動物病院は2次診療施設のため、上記のような病気の予防を目的とした避妊・去勢手術は行っておりませんので、かかりつけの病院に相談してください。

咬みつかないようにするには、どのようにしつけをしたらいいですか?

犬が咬みつくのには様々な原因があります。

  1. 仔犬の甘噛み
    仔犬の頃の甘噛みの癖を直さずそのままにした結果、成犬になっても噛み癖がついたままという事があります。本来仔犬は親犬や兄弟と遊んだり喧嘩をする中で噛む時の力加減を学んでいきますが、ペットになる犬は仔犬の頃から人間に飼育される事が多いので、人間が噛む時の力加減を教えなければなりません。まだ仔犬の時期でしたら早いうちに甘噛みのしつけをしましょう。しつけ方は、甘噛みしてきた時に少しでも強く噛んできたら「痛い!!」と強い口調で言い、痛そうにします。そうすることで今の噛み方は痛いんだという事を学ばせます。その時仔犬が力を緩めたり、離したりしたらほめてあげましょう。それを何度も繰り返します。この時にしてはいけないのが、「たたく」という行為です。甘噛みのしつけに限りませんが、たたくことにより恐怖心を持たせてしまい、臆病な犬になったり、攻撃性を高めてしまう恐れがあります。また、甘噛みは仔犬にとっては自然な行為ですので甘噛み自体をやめさせるのではなく、あくまでも噛んでいいものといけないものの区別をつけさせるようにしましょう。ある程度力加減を学ばせたら、人に対して噛もうとしてきた時にタオルやおもちゃなどの噛んでもいいものを与え、人を噛んではいけないという事を教えましょう。これらの方法で上手くいかなければ、遊んでいる時に強く噛んできたら黙ってその場を離れ、無視をするというのも効果的です。これを繰り返すことで、犬は噛むと遊んでもらえないと思うようになり噛む事をやめるようになります。 成犬になってから噛み癖を直すのには時間がかかります。飼い主さまが根気よく何度も繰り返し続けることが必要となります。
  2. 序列の問題
    犬は序列化する生き物ですので、誰がリーダーであるかを考えます。そこで人がリーダーにふさわしくないと判断すると犬は自分がリーダーになろうとします。家族の中で自分(犬)が一番偉いと勘違いし、家族という群れのリーダーになっている状態の時に、犬にとって下位にいる家族が犬の気に入らない事をしたり、触ってほしくない時に触られたりした時に咬みつくことがあります。また、このような状態の時は自分が家族のリーダーであり家族を守らなくてはいけないという本能が働くため、家族と一緒にいる時に家族以外の人に対して威嚇したり咬みついたりすることがあります。これらの原因の根本は家族内での序列の問題にありますので、直すためには、飼い主さまがリーダーとなり犬を家族の中で一番下位にしなければなりません。まずは、犬の要求には一切従わないことです。例えば、犬がご飯をほしがって鳴いても、人より先にご飯を与えないことです。できれば人が食べ終わってから与えるのがいいでしょう。犬が鳴いても無視をしてください。そうすることで犬は、自分の要求が通らない=自分がリーダーではないと考えるようになります。他には、お散歩の時に犬に前を歩かせないようにすることです。犬がリードを引っ張ったら、立ち止まって引き戻してください。それをお散歩の度に行い、徐々に飼い主さまが前を歩くようにしていきます。 また、犬の威嚇や咬みつきに対して弱気な態度をとらないようにしましょう。犬のどんな威嚇や要求にも動じず、屈しないことが大切です。また、1.でも説明しましたが、攻撃に対して「たたく」などの攻撃で返そうとするのは逆効果ですので、少しでも唸ったりしたら無視をするのが一番です。そうやって、威嚇したり咬みついたりしても要求は通らないという事を学ばせ、飼い主さまの言う事を聞かなければかまってもらえないと思わせましょう。普段の生活の中で常に飼い主さまが優位な行動をとるように心掛けてください。そして飼い主さまの言う事をきいた時だけほめてあげましょう。
  3. 恐怖による攻撃
    犬が恐怖を感じた時に自分を守るために咬みつくことがあります。これは臆病で怖がりな性格の犬にみられます。性格ですので1.や2.のようにしつけで直すことは難しいですが、普段の生活の中で出来るだけ恐怖を与えないようにし、人を怖いと思わせないようにすることが大切です。前から近づいたり、上から触るなど、犬が怖がるような事は避けましょう。その子が嫌がらない場所を優しく撫でてあげたりして、人に触られることに慣れさせるといいでしょう。また、じっと目を見つめたり、たたこうとするなど、犬にとって威嚇ととれる行為は絶対にしないようにしましょう。
  4. 痛みによる反射
    痛みを感じた時に反射的に咬みついたと考えられることもあります。今までおとなしかったのに、突然怒るようになったり、特定の場所を触った時に咬みつくことがあれば、どこかに痛みを感じていると考えられますので、一度病院で診てもらいましょう。

爪切りや耳掃除をするのが怖くてできません。どうしたらいいですか?

  • 爪切り
    犬や猫の爪の中には真皮と呼ばれる部分があり、ここには血管や神経が通っています。この部分を切ってしまうと出血してしまい、それを怖がって爪切りが出来ないという飼い主さまも多いと思います。出血させないようにするためには、白い爪の子の場合、真皮がピンク色に見えますのでそこまで切らないように気をつけて切ります。黒い爪の子の場合は真皮が見えませんが同じ足であれば真皮の伸び具合は大体同じくらいですので、1本でも白い爪があればその爪を最初に切り、その爪の長さを参考にして切って行くといいでしょう。また、少しずつ切って行くと表面中心部にやわらかく白っぽい部分が出てきます。この先が真皮ですので、それを目安に切るのもいいと思います。気をつけて切っていても出血してしまう事があります。その場合はコットンやガーゼでしばらく押さえていればいずれ止まりますが、ご心配な方はペットの爪切り用に止血剤が市販されていますので予め用意していただくことをお勧めいたします。
  • 耳掃除
    耳掃除をする際、鼓膜を傷つけてしまうのではないかと思いなかなか奥まで掃除が出来ないという飼い主さまが多いです。犬や猫の耳は人間とは少し異なり、耳の穴がL字型になっています。鼓膜は曲がったところにあるので綿棒などを無理に奥の方へ入れない限り、鼓膜を破ってしまう心配はありません。ただし、綿棒での掃除は耳の中を傷つけてしまう恐れがありますのであまりお勧めできません。お家で掃除する場合はコットンやガーゼに市販のイヤークリーナーやイヤーローションをつけて、指の届く範囲で耳の中を優しく拭き取ります。普段のお手入れにはこの程度で十分ですが、奥の汚れが気になるようでしたらイヤークリーナーを耳の中に直接入れて頂き、耳の付け根のあたりを指で揉んでください。そうすることで汚れが取れますのであとはコットンなどでふき取ってください。 普段きちんとお手入れしていても耳垢がたくさん出たり、皮膚が赤くて痒がるなど普段と変わったことがありましたらかかりつけの病院で診てもらいましょう。

腫瘍や腫れものの痛みを感じていますか?

犬や猫の腫瘍には人間と同じように様々な種類があります。脂肪腫のようにほとんど痛みを伴わないものもあれば、骨の腫瘍のように強い痛みを伴うものもありますので、種類によって痛みの程度は違います。また、同じ腫瘍でも部位によって痛みの程度が違うこともあります。犬や猫は痛みに対してとても強く、我慢してしまう子が多いので、実際に痛みを感じているように見えない事もあります(性格にもよるので個体差はあります)が、基本的には人間と同様に犬や猫も痛みを感じていると考えられます。

人だと何歳ですか?

動物種や品種によって差がありますが、例えば猫・小型犬の場合は1ヶ月が人間の1歳くらいにあたり、1歳で20歳くらいにあたります。その後は、2歳で24歳、3歳で28歳…10歳で56歳というように1年ごとに大体4歳ずつ足していきます。大型犬の場合は小型犬に比べると寿命が短く、歳をとるのも早くなりますのであくまでも目安として参考にしてください。

寿命はどれくらいですか?

猫・小型犬で15~18年くらい、中型犬で13~15年くらい、大型犬で10~13年くらいです。しかし、品種や飼育環境により個体差がありますのであくまでも目安として参考にしてください。

受診・診療全般

電話での相談はのってもらえますか?

いいえ。
飼い主の方からの直接のお問い合わせ・ご質問にはお答えしておりません。まずはかかりつけの先生(最寄りの開業医)にご相談ください。

紹介状なしでも診察を受け付けていますか?

いいえ。
かかりつけの先生からの紹介状が必要です。紹介状にはこれまでに行ってきた検査や治療の結果に関する情報などが含まれており、診断や今後の治療方針を計画する上で重要となります。また大学病院は夜間および休日(土日)診療には対応しておらず、動物の急変時には紹介いただいた先生と連携して対応する必要があります。したがって、大学病院受診時には紹介状のご用意と事前予約が必要となります。

予防接種は行っていますか?

いいえ。
フィラリア予防やワクチン接種などは実施しておりません。

診療料金は一般の動物病院と変わりませんか?

いいえ。
難治性内科疾患の診断には精密検査が必要となることが多く、一般の動物病院よりも診療料金が高額となることがほとんどです。

入院は必要ですか?

岐阜大学動物病院は、24時間の監視体制ではありません。そのため、深夜の監視が難しい場合があります。可能な限り、紹介元のホームドクターに術後の管理をお願いしておりますので、診察を希望される場合は、ホームドクターに一度診察を受けてからお願いいたします。

歯の健康

犬や猫に虫歯はありますか?

犬の虫歯は非常に珍しく、猫の虫歯は現在のところ報告はありません。しかし、犬では歯周病が非常に多く、歯が抜けて歯を失うことになります。また、硬いものを咬んで歯が割れた場合は虫歯と同じような状態になります。一方、猫では歯周病もみられますが、猫に特徴的な病気として、歯と歯肉の境目から歯が割れて脱落する病気や歯周病がなくても難治性の口内炎になることがあります。歯の異常は、はじめに飼い主さまが気づいてあげることが重要ですので、早めに対処してあげましょう。

犬の歯磨きは必要ですか?

人と同様に犬も歯磨きをした方が、口腔内を清潔に保つことができ、歯周病になるリスクは少なくなります。しかし、小さい頃から歯磨きの習慣がないとなかなか難しいものです。岐阜大学動物病院では、犬専用の歯ブラシを提供しておりますので、まだ、犬が小さい場合は早めに歯磨きの習慣をつけてあげましょう(ただし、キシリトールの使用は危険です)。歯磨きを絶対に受け付けない場合は、一度、口腔内検査とスケーリング、ポリッシング処置を行い、定期健診を受けるようにしましょう。まずは一度、ホームドクターに相談してみてください。

歯石除去をしてもすぐに歯石が付くので意味がないのではないですか?

歯石を除去すると歯の表面がザラザラになり、さらに歯石が付きやすくなります。そのため、岐阜大学動物病院では歯石除去のあとに研磨を行っております。これにより歯の表面はツルツルになり、歯石は付き難くなります。この研磨は専用の機器がないとできませんので、他の動物病院で歯石除去を行う場合には、研磨(ポリッシング)を行うかどうか確認するのがいいかも知れません。

歯周病予防のヒヅメの使用はお勧めですか?

犬の歯周病予防のため、ヒヅメが市販されています。しかし、このような硬いものは歯周病には効果があっても歯が割れて、歯髄がむきだしになってしまいます。歯髄は感染して、すぐに歯の根元に病巣をつくってしまいますので、ヒヅメの使用はお勧めできません。

  • 門脈体循環シャント(PSS)の手術
  • 産業動物

門脈体循環シャント(PSS)の手術

門脈体循環シャント(PSS)は手術をしなければいけませんか?

PSSは先天的に発達した異常血管で門脈血を本来行くべき肝臓に向かわせず後大静脈に流入させてしまうので、異常血管(シャント)を結紮して血流を門脈―肝臓に向かわせ肝臓機能を正常化させなければなりません。これは外科的な処置でしか治癒させることは聞きません。外科処置までは適切な内科管理が必要となります。

PSSはどんな症状がありますか?

重度からほとんど症状がでないまでのバリエーションがあります。これはシャントの大きさや肝臓障害の程度に関連してきます。

  • 重度な神経症状
    食後に症状の悪化が起こる。一時的な盲目、壁に伝わって歩く、旋回運動、てんかん発作、昏睡、よだれ
  • 消化器症状
    間欠的な食欲不振、嘔吐、下痢、食性の変化:ベジタリアン食を好む
  • 泌尿器症状
    血尿、結石による尿通過障害

PSSの手術を行わないと、どうなりますか?

PSSが存在していると進行性に肝臓機能が悪化していきます。年齢が多くなって手術を実施した例の多くは肝臓に病理的な異常を発現していることが多いのです。早期に外科的治療を行うことで、肝臓の機能は改善し正常な子と同じような生活を送ることが出来ます。

PSSで輸血が必要な場合はどんな時ですか?

  1. 肝臓の機能が悪いため、凝固因子(出血した場合に血液を止めるために必要な因子)の欠乏がおこっており、出血がなかなか止まらない時。
  2. 肝臓の機能が悪いため、血液中の蛋白が不足による(血液検査項目:TP, Alb)傷口の治癒が起こりにくい縫合不全そして全身的な浮腫が生じる可能性がある時。
  3. 貧血を引き起こしている時。

PSS手術の合併症にはどんなものがありますか?

  1. 術後に5%の症例で原因不明のてんかん発作、肝性脳症そして予期せぬ合併症を引き起こす場合があります。発作の確率は高齢なほど高くなる傾向にあります。(術前にてんかん様発作を起こしていない患者さまでも起こり得ます。)発作が起こった場合は、重篤な後遺症が残ったり、死亡するケースもあります。死亡する確率は、発作が起こると約60%です。発作は、手術後3日以内に発生することがほとんどです。したがって術後3日間は必ず入院していただきます。術後3日経過して一般状態が良ければ退院可能です。
  2. シャント血管を結紮すると全身の血圧が低下する場合があります。この血圧の低下が原因で術後に腎不全や多臓器不全を引き起こし、死亡するケース(1%以下)があります。
  3. 輸血や造影剤、麻酔薬などによるアレルギーショックを起こす場合があります。重篤な場合は死亡するケースがあります(0.3%以下)。
  4. 低蛋白血症により縫合不全や傷口の治癒が遅れる場合があります。
  5. その他様々な予期せぬ合併症が起こる可能性が急激な代謝の変化によって起こることがあります。

PSS手術の予後はどうですか?

予後(手術後1ヶ月後に生存していたかというデータであり完治する確率ではありません)

  • 2歳未満のPSSの1ヶ月生存率 96.3%
  • 2歳以上のPSSの1ヶ月生存率 93.2%

産業動物

産業動物の診療とはどのような診療ですか?

往診が中心で、各農家さんへ赴きその場で診療(診断と治療)を行います。岐阜大学の獣医診療では、各務原市内の酪農家さんの乳牛及び若干の肉牛の診療を請け負っております。また、馬の診療を依頼された場合、対応しています。

産業動物の繁殖とは?

通常、繁殖に利用する個体を繁殖専用に飼育します。牛肉や豚肉を生産する場合は、繁殖用個体の自然交配や人工授精などにより子畜を生産し、肥育した後食肉とします。また、乳牛の場合は、母牛が出産により泌乳を開始しますので出産後に牛乳を搾ることが可能となります。牛乳を乳牛から得るためには子牛の出産が必須ですので、必ず繁殖は必要となります。もちろん、生まれた子牛(雌牛)は 将来搾乳牛として育てられます。