岐阜大学動物病院

診療

岐阜大学動物病院 診療科目:臨床繁殖科

近年産業動物に携わる獣医師の減少が指摘されております。獣医学課程では、産業動物の診療を行うことによる教育の充実を目指し、これを受けて2005年度(平成17年度)より、岐阜県各務原市と岐阜大学応用生物科学部が契約を行い、動物病院臨床繁殖科では各務原市内酪農家の乳牛と和牛の診療を行っております。診療においては、週1回の繁殖診療を中心とした定期検診に加え、緊急の診療にも対応しております。学生の教育を目的とし、研究室所属の学生および実習の受講生が診療に参加し、現場での実践を学んでいます。この他、依頼に応じて馬の診療や人工授精を行った実績を持っています。

臨床繁殖科の牛診療風景

乳牛第1胃の聴診

牛の胃は4つあり、1番目の胃は体の左側に位置していますので、皮膚の上から聴診器にてその蠕動運動を聴診します。

【写真1】聴診器を左側膁部に当て聴診します。

乳牛の直腸検査

特に、産業動物は子畜を生産しなければならないため繁殖が必要不可欠です。このため、牛の場合は人工授精あるいは受精卵移植が行われますが、人工授精するための検査法として直腸検査が必須となります。

【写真2】腕に検査用手袋を装着し、牛の直腸を介して内部臓器を触診します。

超音波断層診断装置による乳牛の妊娠診断

人工授精あるいは受精卵移植を行った後、妊娠診断により再度の人工授精などが必要かどうかを判断します。また、妊娠診断結果が陽性の場合分娩予定日を算出し、分娩および泌乳に備えます。

【写真3】使用する超音波断層撮影装置です。妊娠陽性の場合中心の画面に胎子が描出されます。
【写真4】直腸検査と同様(写真2参照)、直腸に断層撮影装置のプローブを挿入し胎子の存在を確認します。

牛の体温測定

牛の体温は、直腸温を測定します。温度計を肛門に挿入後、排糞があると温度計が押し出されて地面に落下し破損しますので、体温測定時にはクリップと紐で温度計が落下しないにように留めます。

【写真5】体温計を振って表示を下げた後体温計を牛の肛門に挿入します。
【写真6】クリップで落ちないように尾の上に留めます。
【写真7】1分後取り出して体温計の目盛を読みます。

臨床繁殖科の獣医師紹介

獣医臨床繁殖学教室

村瀬 哲磨Tetsuma MURASE

専門分野

臨床繁殖学

特徴または長所

牛の一般診療および繁殖障害の治療をします。

メッセージ

受胎しない種雄牛、種雄豚がいましたらご連絡ください。

連絡先 研究室(058)293-2954 または動物病院事務部まで